中国において、なしやりんごの重要病害である火傷病(かしょうびょう)が発生したことが確認されたことを受け、令和5年8月30日付で中国からの火傷病菌の宿主植物の輸入が停止されました。
なしやりんごを栽培されている生産者で、中国産花粉を使用されている方は下記農林水産省の情報を参考にしてください。
中国産花粉を受粉に用いた場合、火傷病に感染するおそれがあることから、購入した中国産花粉をお持ちの場合は、使用しないようお願いします。
また、輸入花粉が入手困難になることが予想され、自家採取等の代替準備をお勧めいたします。
火傷病とは
火傷病(かしょうびょう)は火傷病菌による植物の病気で、りんご属、なし属等に感染します。
根絶のための有効な防除方法が確立されておらず、まん延スピードも非常に早いことから、仮に産地へ侵入した場合、罹病樹及びその恐れのある樹木の伐採を徹底的に進める必要があり、産地に甚大な被害をもたらします
【病徴】
・感染すると、火にあぶられたような症状を示し、病斑が主幹を取り巻くことにより樹全体が枯れることもある。
・り病枝の先端は下方に湾曲して「羊飼いの杖」と呼ばれる特徴的な症状を示す。
・病斑から細菌泥が漏出し、ハチ等の昆虫や風雨によって伝搬される。また、り病した花の花粉が昆虫により健全な花に運ばれ、感染する場合もある。
【防除】
・火傷病菌を根絶できる有効な防除方法は確立されていないため、り病樹の伐採による防除が必要。
・韓国においては、2015年に初めて発生が確認され、公的な防除措置(感染地域のすべての宿主植物の廃棄、モニタリング調査等)
が講じられているが、その後も発生地域が拡大している。